おいでよ怪物の樹海(もり)

 

人外が好きだと言うと、色々な返し方をされる。

 

「ロボット系?」と聞く人もいれば「獣系?」と聞く人もいる。「映画泥棒とか?」と言う人もいるし「それよりも年金払うのマジしんどくない?脱税もしたいんだけどどうすればバレずにできるかな?」と返す人もいる。

 

最後の返しに関しては同意するが税務署を敵に回すのは厄介だ、とだけお答えしたい。決して脱税の前科があるわけではない。

 

話を戻すが、人外についてだ。

 

映画泥棒と言うと分かり易いだろう。最近は異形頭というジャンルが台頭してきているが、私は人外とは少し別物だと思っている。根本から人間とは違うと感じさせる人外が好きなのだ。

 

では私が愛する人外は何系かというと、メカだろうが獣だろうが怪物だろうが何でも好きだ。好きだと思ったら何でも好きな性分なので明確なカテゴライズが難しい。

 

では具体的に、LOVE方向で好きな人外キャラクターを挙げてみよう。

 

レッドピラミッドシング/SILENT HILLシリーズ

 

いきなり異形頭とも言える物を挙げて申し訳ない。しかしこいつ、一言も喋らない上に三角頭の中には肉のミンチのようなものがギュウギュウにつまっている。異形頭よりクリーチャー寄りというか、モロにクリーチャーだ。全力でこちらを殺しに来る。

 

奇妙でグロくて恐ろしいのに数多くのファンが居るのはやはり名言し辛い魅力があるからだろう。あとエロい。何がどうエロいかはぜひその目で確かめて頂きたい。当方のような肉欲ブスを唸らせるエロさである。

 

こいつに捕まったら必然的に死ぬという恐怖と、言いようのない性的魅力と好奇心を擽るキャラクター像が堪らなく好みだ。

 

キラークイーン/ジョジョの奇妙な冒険第4部

 

 

ボンデージを着ているムキムキの9頭身猫ボクサーと表すのが分かり易いだろうか。基本的に2m程のサイズの人外が一番しっくりする。キラークイーンも屈指の人気スタンドであろう。怖いエロい美しい可愛いという奇跡の人外だと思う。

 

レッドピラミッドシングキラークイーンも何度か他の記事に出したことがあるのでそういうのが好きな事は薄々バレていたことだろう。ちなみにこいつも喋らないしムキムキだしどこか性的だし標的にされたら多分絶対死ぬ。

 

言葉は無いが知能や意志を感じさせる瞳。人外特有の肌の感触や温度。そんなのを思い浮かべるだけでドキがムネムネする。夜道で出会ったら失禁しそうだ。20数年ぶり二度目のオムツ返り咲きも検討するべきだろうか。あちらからしたら、そんな女の方がよっぽど化け物である。

 

Whiteface/Imscared

 

こちらはグロではないがホラーが苦手な方は画像検索に気を付けて頂きたい。マイナーな洋ホラーゲームのに出てくるキャラクターなので100人中99人はご存知無いかと思う。

 

言葉で説明すると、暗闇に白いドット絵の顔だけが浮かんでいる。そいつがWhitefaceである。ゲームの構造としては鍵を探したり謎を解きながらWhitefaceから逃げるのだ。

 

このゲームはメタフィクション的な、ゲームの外までプレイヤーを追いかけてくるギミックがありジワリと汗をかくような怖さがとても良い。ちなみにWhitefaceはファンの間ではヤンデレという扱いになっている。

 

目が窪み歯が欠けた顔だけの少年が「ほんとうにごめんね。僕を一人にしないで。ごめんね、ごめんね……君を逃がしてあげられない……怖いんだ……(実際は英語)」と言いながら永遠に追いかけてくる。最高じゃないか。死後の魂を捧げたくなる。

 

長くなるので書かないが他にも獣姿の白澤(鬼灯の冷徹)とかオクティマスプライム(トランスフォーマー)とかUndyne(UnderTale)や遠野物語雨月物語や能の演目『道成寺』などあらゆる古典に見られる蛇との恋愛も好きだ。本気で恋愛できる。異種婚姻譚の素晴らしさよ。

 

退屈な日常に飽き飽きしており刺激が欲しいOL……と文にすると、なんだか少コミやハーレクインのような物語が始まりそうだ。しかし当方が求めているのは上記のような人外との恋愛なのである。もはや刺激より劇薬に近い。

 

念のため申し上げるが、人間が嫌いなわけではない。人間以外も好きなだけだ。

 

人外は良い。税金も年金も払わなくていいし。そこに戻ってくるのかよ、と思われそうだがここに戻ってくる。

 

私に残された選択肢は税務署を敵に回すか人外とのラブストーリーを求めて樹海を徘徊するかのどちらかだ。私の前に道はない。

 

鳥の死骸解体して劇薬塗して火葬した奴

一人暮らしだと中々揚げ物をしない。料理は好きだし、自炊中心の生活ではあるがさすがに揚げ物は億劫に思う。鶏肉が好物なのでから揚げなんかも作りたいのだが、調理が簡単なので摂取する肉と言えばもっぱら豚肉だ。本当は10代の処女の肉とかが食べたいのだが、どこにも売っていない。

 

そんなわけで実家にいた頃よりめっきり鶏肉を食べる機会が減った……と言いたいところだが実はそうでもない。ここ3週間ほど、ほぼ毎日仕事帰りにセブンイレブンでホットスナックを買っているからだ。

 

そもそも、私の平日のタイムテーブルは金太郎飴のようにほぼ変化がない。

 

7:05 起床

7:10 ミニクロワッサン(3口で食べ終わる)2個を無理矢理押し込む

7:30 身支度を済ませ出勤

8:50 会社に着く。化粧の仕上げと髪の毛を整える。

9:20ごろ始業。

12時~13時に昼休憩。

大体19時前後に退勤。

20:30ごろ帰宅。風呂、夕飯、弁当作りを済ませ24時~25時に就寝。

 

こうなると口にするものもほぼ一定なのだ。朝は前述通りパン、昼休みまでは緑茶を飲み、昼は弁当、午後はブラックコーヒーをたまに飲み、チョコレートや頂いたお菓子を一粒二粒食べる。

 

帰りはへとへとになって殺意と空腹を抑えながら帰路に着く。ほぼ白目を剥いているのでそろそろ職場と自宅付近の学区PTAが巡回パトロールを始める頃だろう。

 

そんな疲れ果てた体で最寄り駅につき、目の前にセブンイレブンがあったらそれはもう入店するしかない。多分ガールズバーとかでも入っていると思うが。

 

そして白目・震えた指先・誇り高き原住民族の言葉で「うひゅ、ひゅ、う、うま辛チチチ、チキンくだひゃい……」と取引を始めるのだ。

 

売人はみな素敵な笑顔と温かい態度でブツを渡し、こちらからの報酬を受け取る。心温まるほのぼの取引現場である。最近はうま辛チキンとうま辛棒を交互に買っていくのでバイトの間で”うま辛ブス”と呼ばれていることだろう。

 

そう呼ばれても構わないくらいセブンのうま辛系ホットスナックが好きなのだ。

 

坂道を登りながら息を切らし、呼吸が浅くなった所でおもむろに袋からチキンを取り出し咀嚼する。たまにマジで窒息しそうになるが、生を感じられ高みを目指す高僧のような気持になれる。200円以内で空腹と生への懐疑心を満たしてくれるセブンのホットスナックにノーベル平和賞を与えたい。

 

そもそもスパイシーな味付けの鶏肉が昔から好きで、長らくファミマのスパイシーチキンが王座を独占していたのだがうま辛シリーズの出現によりその座も危うくなった。

 

コンビニホットスナックの益々の発展を願い、これからも美味くて辛い鶏の死骸を血走った目で食べ続けて行きたい。少なくともPTAが防犯強化パトロールを始めるまでは。

 

そういえば、「辛い」は「からい」とも「つらい」とも読む。うま辛ブスの語源は①うまくてカラいものばっかり買っていくブス②うまいもの食べることでしかツラい人生に光を見つけられないブス……のどちらだろうか。

 

どっちもだろ、と思った貴方はこの先夜道の一人歩きに気を付けて頂きたい。いつのまにか鶏の死骸を咀嚼しながら近づいてくる女が居るかもしれない。

机の癒し要員募集

仕事に行きたくない。

 

5億イイネくらい貰えそうなテーマである。更に言うと、仕事には行きたくないが無職であるという意識に苛まれることも無いまま金が欲しい。こっちは70億イイネくらい貰えるだろう。

 

現在、職場のデスクにはPCと卓上カレンダーと小さな某キャラクターのマスコットしか置いていない。仕事中はもちろん書類や筆記用具、お菓子などが置いてあるが帰る時には全て鍵付きのロッカーに仕舞ってしまう。そもそも仕事中もあまり机の上に物を置きたくないので殺風景だ。

 

一か月くらい前まではPCの他には卓上カレンダーのみだったのが、職場でのストレスが臨界点に突破したので癒し要員として小さなマスコットを置いた。ポムポムしててプリンプリンなあいつだ

 

結果、とてつもない癒し効力を発揮している。3秒に1回「殺す」と呟きそうになるのを抑えながら仕事していたのが10秒に1回くらいに減ったのだ。

 

別段そういった置物を禁止されている訳ではない。なんかのフィギュアを置きまくっている人も結構いるのでこれからさらに癒し要員を増員派遣させたいと思っている。

 

まず、キラークイーン岸辺露伴、チャッキーくん、レッドピラミッドシングのフィギュアを揃え、横一列に並べる。其々『ジョジョの奇妙な冒険』、『チャイルドプレイ』、『SILENT HILL』からのヘルプ要員だ。

 

殺人鬼、漫画家、殺人鬼、処刑人という錚々たるメンバーで胸が熱くなる。間に挟まれた漫画家も作中での役割は他のメンバーに負けていないので良しとしよう。

 

一介のOLのためにこんなにも殺意に溢れた面々が集まってくれたのだ。(集めたのは自分だが)これだけで感涙ものである。

 

それから、私のデスクの横には常にラブラドールレトリバーゴールデンレトリバーを配置させてほしい。彼らがストレスを感じないよう、大きなゲージにトイレシート、水、玩具も必要なので私のデスクは200Mほど隔離される必要がある。大歓迎だ。2kmくらい隔離されても構わない。

 

最後の仕上げとして、手の届く範囲に辞表があれば完璧だ。完璧な癒しの布陣である。

 

完璧ではあるが、同時に周りの社員が私へのストレスを感じ始めるだろう。上等だ。お前らも自分が働きやすい環境を作れよ。見つけて見ろよお前だけの癒しの布陣!とワンピースのルフィばりにアツく語ろう。アツく語った結果職を失っても後悔はない。

 

それか上司に玉木宏が居れば「今日は会社休みます」とはならない。幾らでも出社する。上手いこと言ったな、と自分で思ったが上司に玉木宏は居ない。やはり当日欠勤をキメるしかないようだ。

 

既にお気づきだとは思うが、このブログは私の妄想と願望に満ち溢れている。疲れたOLにブログを始めさせるとめくるめく現実逃避願望をワールドワイドウェブで晒す、ということを御理解いただけただろうか。もうそういう風にさせる社会が悪い。

 

話は戻り、新たな癒し要員として優しくて良い匂いがするナオンを雇いたい。我こそはと言うクレイジーな女性はご一報願う。上記の布陣にナオンを加えれば、「殺す」と呟くのも30秒に1度ほどになるだろうから。

 

 

彼は欲情をぶつけるように私を押し倒した

 

数年前、とある小説を読んでいて何かひっかかるシーンがあった。

 

詳しくは忘れてしまったが、積年の思いを遂げた男女がさぁこれからセックスだぜ!みたいなシーンだ。相撲で言うと立ち合いだ。

 

場所はどちらかの家のキッチン。そのまま男は手荒くヒロインを押し倒す。相撲で言うと寄り切りだ。

 

例えておいてなんだが相撲はどうでもいい。問題はその描写にあった。

 

「肩にかけられた〇〇さんの手に力が込められ、私は手荒くシンクに押し倒された」

 

 

シンクに押し倒しちゃダメだろ。

 

咄嗟にこう思うのも無理はない。シンクは流し台の事なのでまな板を置いたりする作業スペースも含むのかもしれないが、大多数の人間は水槽状のあの部分を思い浮かべるのではないだろうか。首の角度がエゲつないことになってそうで怖い。

 

この小説、お互いの過去やヒロインのトラウマ、二人の事情などなかなかにシリアスな話だった。しかしもうこの一文で私の頭の中にはとんでもない体勢の男女しか浮かばないのである。気になりすぎてその後読むのを止めてしまったくらいだ。

 

あまりにもスッキリしないので何人かの友人に「こんな小説の描写があってさ……」と話してみたこともある。返ってきたのは爆笑だけだった。やっぱりシンクはおかしい。

 

というか、シンクじゃなくてもおかしいだろとは思わないか。こういうツッコミは野暮だと解っているのにどんどん気になってしまう。

 

大人の女性一人押し倒してもなお余裕あるキッチンがある家となれば、かなり広いマンションだろう。わかる。それにしたって作業スペース広すぎだろう。奥行き何センチあるんだよ。わからない。

 

押し倒せるという事はキッチンに物が無い。間違ってもピンクグレープフルーツの香りの台所用洗剤なんて置いてないのだ。わからない。皿を洗う時はどうするんだ。綾波レイみたいな食生活の男なのだろうか。ムキムキ設定だったのに。

 

このような「ちょっと待って?」と思ったら終わりのようなラブシーン、媒体を問わずよく出くわす。そんな作品ばっかり読んでんのかよ、とお思いになられただろうか。大正解だ。そんな作品ばっかり読んでいる。

 

とてもハラハラドキドキするような展開でようやく前戯が始まったかと思ったら場所が断崖絶壁だったり、読んでいるこっちはロングヘアのささやかな乳なのに唐突にヒロインのショートカットロリ巨乳設定が前面に押し出されてきたり。何にせよ書き手作り手の真剣さやこだわりを感じるのも事実と言えよう。

 

しかし、こちらとしては真剣に読み込んでいるのでふとした瞬間に状況がわからなくなりポカンとしてしまう。相撲で言うと猫だましだ。

 

もっと大らかに何があっても気にしない包容力でラブシーンを見届けられるようになりたい。フィクションのラブシーンだからこそEverything is OKの精神を身に付けなければならない。肉欲クソ野郎としてまだまだ半人前であることを恥じる。相撲で言うと、自分なんぞ幕下だ。エロ横綱への道は長い。

 

俺はエクソシストだ成仏しろ

パワーストーンが好きである。

 

別に病的にハマっていたり作用を妄信している訳ではないのだが、アクセサリーを買う時にパワーストーンがさりげなく入っているものを選んでしまう。

 

アクセサリーと言っても付けるのは基本的にイヤリングとブレスレットのみ。イヤリングは最近ずっとお気に入りを付けているがブレスレットは何種類かあるものを日替わりでつけている。重ね付けも好きだ。

 

その何種類かあるブレスレットは全てパワーストーンが組み込まれている物である。

 

誕生石がダイヤモンド・クォーツという事もあり、透明な宝石が好きだ。

 

ダイヤは流石に高いのでもっぱらクォーツの物を付けるが、キラッと光るのがとても良い。店で手に取った時も、その透明感と輝きと浄化作用に惹かれたのがきっかけだった。

 

せっかくなら肩こり改善とか、眼精疲労治癒とかむくみ取りとかそういう作用があればいいのだが、もはやそれは湯治である。ピップマグネループが一番のパワーストーンアクセサリーではないだろうか。

 

話を戻すが、浄化作用。浄化。いい言葉だ。

 

少し前、広末涼子が出ているCMが薬事法にひっかかり放送禁止になったことがあったがあれは「浄化」というワードがまずかったらしい。

 

まぁ、浄化と言うと怪しい宗教っぽいもんな。

 

恐らく私は、私はというか現代社会を生き抜く人間は、誰しも淀みを抱えていると思う。それをクリアにできる!と言われたら惹かれるだろう。溜まっていたスマフォのキャッシュや履歴をクリアするようなものだ。多分。

 

実はもう一つ、クォーツのアクセサリーを付けているのには理由がある。

 

ツイッターなどではたまに不満をぶちまけているのだが、現職場でセクハラじみたことをされている。

 

この件について話すと南総里見八犬伝ばりに長くなるし、途中で殺意を抑えようとYOUTUBEで柴犬の動画を見ることになるので割愛するが、とにかく上司が「邪」でしかないのだ。

 

寄るんじゃねぇ浄化すっぞテメェコラと叫びたい気持ちを抑え、クォーツの光るブレスレットを付けた手でオフィスに乗り込む毎日だ。

 

本当ならロザリオや青龍偃月刀(関羽が持ってるアレだ)や黒人のセキュリティと共に出勤したい。やむを得ずこのような細やかな対処を取るに至ったが、黒人セキュリティの同伴はまだ諦めていない。

 

クォーツについては今の所何も言われていないので、ひとまずデスクをデコるところから始めようか。

 

最終的には”浄化♡作用”と書かれたTシャツでクォーツをベロンベロン舐めまわし今の現場から外されることになりたい。クソお世話になりました!と叫んだあとベロンベロン舐めまわしていたクォーツをオーバースローでブン投げ、GetWildを歌いながら去る。そこまでが私の退職プランだ。

 

こんなことを書いている時点で全然浄化されてないな、と気づく。今週末は新宿へ行くので、新たなクォーツのアクセサリーを買おう。

 

もしもこのブログが表参道のカフェやインスタ映え抜群のリゾート地について語り出したら浄化が成功したと思って欲しい。もしくは上記のようにハッピーワンダフル退職を遂げたかだ。確率的には後者の方が高い。

 

正気の沙汰じゃねえ

 

尾籠な話題で恐縮だが(このマクラを遣ってみたかった)、当方脱毛済である。

 

2年の月日と10回の痛みと20万の出費を引き換えに、うなじ、脇、ひざ下、VIOをレーザー脱毛している。先日ようやく施術が終わった。

 

電車で、よく両脇200円!とか3か所500円!とか恐ろしいまでの安さを謳った広告をよく目にするがそういった大手サロンではない。地元にある小さめの美容サロンだ。まつげエクステやフェイシャルエステやリンパマッサージも過去にしてもらっている。

 

このサロンの脱毛は医療用に近いので料金は高いがその分バシッと効く。2年間でこのサロンに合計40万ほど突っ込んでいるが後悔はない。

 

今や脱毛は高校生でも簡単に手を出せるようになった。MやTといった大手サロンの施術は受けたことがないからよくわからないが、あんなに安くても元手が取れるくらい儲かっているのだろう。

 

ただ、ネガキャンをするつもりは毛頭ないのだが、安いがその分何度も通うことになり、しかも安くて人気なので予約が取れない……と嘆く友人も何人か見た。高くてバシッと効くか安くてゆるっと通うか、どう選ぶかは自由だ。そしてどっちにしろ痛い事には変わりない。

 

脱毛を経験済みの方はご理解頂けるだろう。あの独特の痛み。

 

ゴムパッチンくらいですよ~と説明する人もいるようだが、私は熱した針ブラシをチクッチクッと刺されている気持ちになった。金を払って足を運んで痛い思いをせねば毛は駆逐できないのだ。

 

痛みの中でも、VIO脱毛の痛みは格別だ。念のため説明するとVIOとはデリケートゾーン一帯を指す。所謂Vの辺りはまだいい。全然耐えられる。問題はIとOだ。なぜあんなに痛いのか。

 

毎回、痛みに耐えているうちに脳内の勝俣が人類スゲェー!と騒ぎ出す。

 

恥部を曝け出し、予めすべての毛を剃られ、薬剤を塗られ、レーザーを打たれる。会員制のSMクラブでもそうそうお目に掛かれないようなプレイだ。

 

変な所(尻とか)に汗をかくし、「グッ……ウグッ……イッテ……ウ゛ッ」と唸ってしまうタイプの痛みを耐え抜いた自分と、そうまでさせた毛根を恨む。ちなみに、レーザーを打ち終わり冷タオルを股間に当てられている時は旧五千円札の新渡戸稲造のような表情をしている。

 

そういえば先月、上司同士が髭脱毛について話しているのが聞こえた。男性は毛根も強いからか、髭脱毛も死ぬほど痛いらしい。

 

男性の脱毛に特徴的なのが笑気ガスや麻酔がオプションでつくという事だ。女性の脱毛サービスではまず見ない。羨ましすぎる。金を積んであの痛みを味わわずに済むならぜひそうしたい。

 

そもそも髭はチャームポイントにもなりうるが女性の体毛は違う。処理くらいしろよと言われてしまうこんな世の中なのだ。言いたい事も言えないこんな世の中じゃpoisonと反町隆史もブチ切れ寸前である。

 

そうだ。言いたい事。私はよく「パイパンはいいぞ」と主張しているのだが同意してくれる人は殆どいない。改めて言わせてほしい。パイパンはいいぞ。

 

なんといっても楽だ。めっちゃくちゃ楽だ。楽というか、わずらわしさがない。すっきりする。焼き畑のようなものだと思えばいい。(調べたら焼き畑は畑を焼いた後にまた植えるらしい。植えちゃダメだ。)最初は違和感があったがもう戻れない。痛がった甲斐があると言うものだ。

 

自分で処理をするのは安上がりだがリスクも高いので、ある程度余裕が出来たらぜひ脱毛サロンで色々な所の毛を駆逐してほしい。

 

どうでもいいが、私のVIO脱毛を担当してくれている店員さんが学年は被っていないものの高校の後輩で、部活も担任も同じだったと最近知った。世間って狭いですね~!と、股間に冷タオルを巻かれたまま新渡戸稲造は笑った。

 

殺意と女性ホルモンは出し惜しむな

年齢一桁の時分、女らしさに嫌悪感を持っていた。

 

髪の毛は短く、スカートなんて全く履かず、オレとは言わなくとも私なんてとても言えなかった。胸が膨らみ始めたのだって嫌だった。

 

今となれば感謝して享受しておけばよかったと陵南戦の三井寿ばりに悔やんでいる。

 

元々シスコンなので姉二人はいつも憧れの存在で、”姉がボーイッシュなら私も”、とそれが一番の理由だった。となれば当然”姉が女らしくするなら私も”となるわけで、姉が高校に入るころには私もボーイッシュからかけ離れていくのである。

 

髪の毛を伸ばしスカートを履き、高1の頃には化粧も覚えた。小学校の頃に感じていた女らしさへの嫌悪感はなんだったのだろう。

 

通っていたスイミングスクールで、変なおじさんにケツをジッと見つめ続けられた経験があるからだろうか。性的な目で見られるというのは、年端もいかない女児には違和感と不快感しかない。

 

そしてこれはただの自慢なのだが、小さい頃はマジで可愛かった。外国の赤ちゃんのような愛らしさだった。保育園の同級の保護者に私のファンが居て、毎日貢物(髪飾りとか)を貰っていたくらいだ。

 

そして何より親が私の外見について褒めるのはその頃についてだけである。お陰でこんな屈折した自意識の持ち主になった。物事には必ず因果があると親の賛辞と己の自意識から学んだ。サンキュー!とマシンガンを乱射しながら叫びたい。

 

それにしても、小さい頃は可愛かったんだよ自慢をすると、オレ昔は悪だったんだぜ自慢をする中の下の男のようで恥ずかしい。満足に自慢も出来ないほど自己肯定度が低いのでこの話は終わりにする。

 

で、高校生大学生現在と特にボーイッシュな服装もせずフェミニンとまではいかずとも女らしい服装は好きだった。女の子らしい、というより女らしい服が好きだ。成長した私は目出度くゴツいオカマ顔となったので女寄りにしないとタイで性転換したのに服装はそのままみたいな人みたいになってしまうのもある。

 

こんなことを書いてはいるが私は女の人生をすごく楽しんでいるし、女らしくするのが好きだ。

 

もしもこのブログを読んで、そうかじゃあ女らしくしてやるわいガーッハッハッハと思ってくださった諸氏(死後の魂を賭けても良いが居ないだろう)には僭越ながらこう申し上げたい。

 

殺意と女性ホルモンは出し惜しむな。

 

殺気は色気であり色気は殺気だ。私の場合殺気が元々無いに等しい色気を完全に食い殺し殺気100%のヤベーブスになっているがそれでもそう言いたい。この2文で「殺」と言う字が5回出てきてしまった。殺意弁が完全にどうかしている。

 

死線を潜り抜けて来たスタントマンは物凄いフェロモンを醸し出すらしいし、「アブない」は「なんだかエロい」の遠回しな言い方だ。ぜひとも殺気と色気の入り混じった女性が増えてほしい。殺気の出し方は各々上司を思い浮かべるとか、天引きされる税金の桁数とか、インスタ映えばかり気にする女を思い浮かべて工夫して頂こう。

 

さて、美意識の高い私はそろそろ日課である丑の刻参りの準備を始めるので失礼させて頂く。あなかしこ。