悲恋夢に溺れる乙女

悲恋夢、と字面だけは美しいがこの場合の夢は【夢小説】の夢である。

 

基本的に私はハッピーエンドが好きだ。夢小説はほのぼのとしていて幸せな気持ちになれる物を読むことが多い。

 

そして同時に、ハチャメチャに切ない恋の話も大好物なのである。少し例を挙げると、素直になれずすれ違ったまま永遠の別れになる、とかどうやっても報われない片思いとかが好きだ。

 

誰しも心の中に一人は奥華子がいるのである。私のような殺意に塗れたゴリラの胸の奥にも奥華子は居て、キーボードを弾きながら「あなたの目線と私の思いは交わらない平行(パラレル)なリボン」的な歌を歌っている。歌詞は今適当に考えた。

 

私が如何に夢小説を愛し、夢小説と共に成長してきたかを語ると私の寿命が先に尽きるのでひとまず置いておくが、記憶に残る夢小説は大体悲恋だった。

 

10年近く前に1度読んだだけなのに未だに忘れられないような話だって一つや二つではない。それは悲しみが錘になっているからだと感じる。結局、撫でられた幸福は引っかかれた痛みに勝てない。抱いたはずが突き飛ばして包むはずが切り刻んで撫でるつもりが引っ掻いてまた愛求めるってミスチルも歌ってたし。

 

好きなキャラとのハッピーでラブラブ話を読んで温かい気持ちになりたいだけなのに、何故わざわざ悲しい話を読んでしまうのだろうか?

 

それはきっと、(認めたくないが)一生触れることも話す事もできない2次元のキャラ本当に恋をしている気持ちになれるのが悲恋夢だからではないだろうか。

 

あくまで私の場合だが、幸せな話は「よかったねぇ」と若い二人の幸せを祝うババア的立ち位置にいつの間にか収まっている。つまり、どこかで第三者になってしまう。対して第三者のそれとは思えない切なさや胸の痛みを味わえるのが悲恋モノなのだ。どう考えてもこの恋の当事者でしか味わえないような苦しさ。よりリアルに、彼に傷つけられ、彼と悲しみをわかちあっている、恋をしている気持ちになれる。

 

何を言ってるかわからないと言う方は正常だ。

 

「あ~~わかる……」という方はフォレストページと言う菩提樹の下で共に涅槃に入って欲しい。

 

自分から名前変換をして悲しい話を読んでいるのに泣きながらなんで結ばれねぇんだよ!なんで私とこいつは報われねぇんだよ!とカイジのようにボロボロ涙を流した夜も数えきれないほどあった。それでも悲恋夢を求めてしまう。自傷セラピーかよ。

 

まぁ、涙を流すことは笑うよりストレス解消になるというのは有名な話だから、悪い事ではないはずだ。ちなみに大体寝る前に横になった状態で読むので涙は横に垂れる。この時の涙、サイコーにピュアだ。IH予選で湘北に負けた時の藤真健司の涙くらいに澄んでいる。

 

今夜も私は悲恋夢に溺れ、そのまま眠りにつく。死因は溺死ではなく脱水症状だ。二次元の男との悲しい恋物語を読んでアホほど泣き脱水症状で死んだ……という弔辞を半笑いにならずに読んでくれる喪主を募る。

 

 

余談:悲しい夢小説を書きたくて「全人類が切な死する究極の夢小説書いてやっからな」とキーボードを叩き始めたら、いつの間にかヒロインの第一声が「おはヨーグルトブルガリア~!」になっていたことがある……とツイッターに書いた。

 

あれは紛うことなき事実であるし、何度も今度こそと再チャレンジした。が、どうやっても悲しい恋の話が書けない。毎度毎度、いつのまにか相手キャラが褌を探して訪ねてくる話やアザラシ化パロディなどになっている。

 

撫でるつもりが引っ掻くどころか、撫でるつもりがSTF(ステップオーバー・トーホールド・ウィズ・フェイスロック)レベルの不器用さだ。

 


プロレス技~STF

 

おやすみんみんピコピコ

20数年生きて来てオールしたことが1度しかない。高校生の時はまだしも、大学生にもなれば仲間たちは結構な頻度でオールをしていた。

 

私の両親はそういう事に口うるさくはないので、基本的にどこどこへ行くと告げれば朝帰りしても何も言わない。

 

何も告げずに帰られなければ怒られると思うが、「事件に巻き込まれて酷い目にあったらどうするんだ!心配させるな!」ではなく「とうとう人を殺めたのかと思った。国家権力は敵に回すな」というような怒られ方だと思う。今の所犯罪履歴はホワイトなので安心して頂きたい。

 

友達の家でのお泊り会や一晩中カラオケで盛り上がろうぜ!という誘いが無かったわけではない。そういう場には行くが終電で帰る。

 

なぜ私がオールをしないかと言うと、答えは非常にシンプルで”家で寝たいから”だ。

 

もう少し噛み砕くと、Ⅰ夜は寝たい Ⅱお風呂に入ってパジャマに着替えて寝たい Ⅲ真っ暗闇の無音じゃないと眠れない Ⅳ一人で寝たい などに細分化される。

 

夜更かしをしても、朝4時を回ったことはほぼない。3時台でもギリギリだ。318294614連休なら598時くらいまで起きていると思うが、結局次の日以降のコンディションに関わってくるので夜に寝て朝起きたいのだ。

 

お風呂に入ってからじゃないとベッド・布団に入りたくないという習性もある。朝風呂は好きだがその分寝ていたいし、夜帰って風呂に入らずそのままベッドへ!というのは絶対にできない。家族友達恋人がするには何も思わないが自分は絶対にダメだ。僧侶も卒倒するような奸邪の化身である私が身も清めずにベッドに入るなどとんでもない。

 

そんな私は現在、10万円のマットと1万円の枕を使用している。これが最高の寝心地なのだ。仕事から帰りご飯を食べお風呂から上がりベッドに横たわった瞬間、もう最高にテンションが上がる。上がっちゃ駄目なのだが、上がるのだ。うおおおおお寝るぞ!寝るぞオラッ!すっぱだカーニバル!と言うような気分になる。

 

もしかしたらこのマットレスにはハイテンションになる植物の繊維でも含まれているのだろうか。だとしたら10万円なのも頷ける。

 

このように睡眠ライフを楽しんでいる私ではあるが、冒頭に書いた通り一度だけオールをした。テスト勉強とかではない。クラブに行ったのだ。そう、クラブに。それも渋谷の。

 

22時の開店から始発まで居たがスゲェ世界だなの一言であった。

 

全くクラブに馴染めていない私はGメンのような目つきでお忍びに来ると言う若手俳優を探す友達の横でなんとなく曲に乗り酒を飲み続けた。途中、変な男に二の腕を揉まれたり好きな女の子にプレゼントを渡しに来たという二十歳の早大生を励まし続けたりしながら夜は更けていく。

 

最終的にその辺の男に酒を奢らせた挙句全く話にも付き合わず振り切ったり、学園ハンサムの話をしたり、ウジウジし続ける早大生に「ウジウジしてんじゃね~~~!もうあたしが渡しに行く!どの子!???」とキレたり、それなりに楽しくはあった。

 

普段、自分が寝ている間に色んな事が起こっているんだなぁ……と感じた貴重な経験だ。

 

しかしなにぶん、眠い。朝5時の渋谷、しかもまだ3月、外は死ぬほど寒いのに服装のチョイスに迷い生足ワンピースにコートという出で立ちの私は店を出て家に着くまで凍死寸前であった。しかもコートの前を閉めると完全に露出狂のそれである。危うく汚いマッチ売りの少女スタイルで永眠するところだった。

 

楽しくはあったが、やはり寝るなら家に限る。

 

ちなみにタイトルのおやすみんみんピコピコとは関ジャニ∞の丸山君がラジオで言っていた言葉だ。語感が可愛い。平日は毎日ベッドに飛び込んだ後、「おやすみんみんピコピコ!!!!!殺す!!!!!!!!!!!!」と叫んでから寝ている。嘘ではなく本当に。

 

もしかしたらその叫びによって隣人は眠れない夜を過ごしているのかもしれないので、反省して今夜から「おやすみんみんピコピコ……殺す……」と吐息多めの囁きモードにチェンジすることをここに誓う。

 

女の子宮は疼かない

 

ある夜、地方に住む男友達が電話をかけて来た。

 

あまり友達と電話をする方ではないので何事が出来せしやと身構えたのだが、彼はどうしても聞きたい事があると言う。当時、彼は転職活動中だったのでそれに関する事かなと思ったのだが、真剣なトーンで彼はこう切り出した。

 

「女のコってどんな時に子宮が疼くの?」

 

私がまず最初に感じた事は、”気持ち悪っ”でも、”いきなり何”でもなく、

 

”てめぇ今まで女扱いなんて皆無だった癖にこんな時だけ女のコとか言ってくるんじゃねぇ”だった。こいつは20kg近い土釜を私に2階から地下3階まで運ばせた前科がある。

 

彼は童貞ではないのだが片思い中に何もかもわからなくなり、とりあえず女の気持ちを知りたくなったのだと言う。そして白羽の矢が突き刺さったのが私だった。私に突き刺さった矢を引き抜いてそいつの腹にブッ刺してやろうかと思ったがなんとか持ち堪える。

 

女の子はどういう時にときめく?ならまだいい。子宮って。エロ漫画の読み過ぎだよ、とやんわり告げた自分を褒めてあげたい。あと多分私の方がエロ漫画読んでるし。

 

しかし彼は女性は皆子宮が疼くものだと信じて居たらしい。疼いているのは殺意である。

 

毅然とした口調で「女の子宮は疼かない」と言おうとしたが、なんか『ダイヤモンドは砕けない』みたいだなと思ってしまいやめておいた。

 

胸のトキメキを胸キュンと表現して久しいが、そのキュンは子宮にも当てはまるのだろうか。正直よくわからない。私はガチムチマッチョの逞しい男性が好きなので抱かれてぇ~!という男性が居た時、ひょっとして無意識のうちに子宮が疼いていたのかもしれない。

 

汚い絵ヅラだ。というか子宮すら支配下に置けない分の悪さに我ながら辟易する。いつの間に子宮はサイレントモードになっていたのか。

 

最終的に彼には、「子宮が疼くの正解がわからないから答えようがない。あと次会ったら殺す」とだけ告げた。

 

 電話を切った後私は、とりあえずGoogleの検索フォームに【子宮 疼く】と入力した。どこに出しても恥ずかしくないゆとりと思わせる見事なインターネットへの懐疑心の無さである。

 

すると結構な女性が子宮の疼きを経験しているらしい。それPMSだろと毛布をかけたくなるような例もあったが。やはり私の子宮は出勤を拒否しているようだ。だからといって、イイ男がいないんだも~んと頬を膨らませる(その頬は私が叩き割る)女にはなりたくない。毎日想像妊娠してるくらいの方が楽しそうだし。

 

改めて考えると、最近は何をしていても会社での事を思い出し子宮と言うよりは胃がギュンギュンに痛むのでそれも要因だろうか。子宮も上の奴=胃があまりに武者震いを繰り返すのでビビッてしまったのだ。

 

 早く想像妊娠し、産休を取り、涎掛けとおしゃぶり装備のテディベアを抱きながらニコニコと職場復帰したいものだ。

 

名前は未来への希望を込めてデスサイコキルユーサイコパス太郎、だ。私にはデスサイコキルユーサイコパス太郎の成長を岸辺露伴と温かく見守っていく未来が待っているのだ。

 

そのためにも、一刻も早く敏感な子宮を取り戻すためGoogle検索フォームに【子宮 マナーモード 解除】と入力してみたが有益な情報は見つからなかった。全信頼を寄せていたインターネットに裏切られたのでもう明日は会社を休む。

 

ハッピーサマーデスウェディング

現在未婚の身であるが、結婚したい気持ちとしたくない気持ちが半々にある。

 

とにかく私は身軽でいたいのだ。ならまず痩せれば?と言う奴には祖国のグァテマラに帰って綺麗な鳥でも見て暮らしてろと返したい。

 

ここで言う身を重くする荷物とは所持品の多少ではなく、配偶者とか仕事とか固定資産とかそういった類のものである。自らの死期を悟ったら猫のように社会から消え、どことも知らぬ外国の地で身元不明の遺体となりたい。

 

こんなことを言っていても、運命を感じる好きな人が出来たら結婚したいと思えるのかもしれないがまだその気持ちは私にはわからない。

 

実は今日とある男性からデートに誘われていたが用事があるので申し訳ないが行けないと断った。これを逃したらデートに誘われるのなんて来来来世くらいになるかもしれないのにだ。

 

しかし私は今日は『岸辺露伴は動かない』(ジョジョの奇妙な冒険に出てくる岸辺露伴のスピンオフシリーズ)を買うと決めていたのでしょうがない。抹茶スイーツが人気な港町のカフェーに出向く元気もなかった。

 

本当にこんな女ごときが申し訳ないのだが、現実の男と岸辺露伴だったら断然後者のプライオリティの方が高い。

 

こんな無いものねだりのI want youなクソ女でもここ1年くらいは何度か婚活パーティーに行って毎度カップリングに成功しているのだが(無意識のうちにKカップくらいになって更に懐から万札がチラチラ見えて居たのかもしれない)一方的にこちらから次のお誘いを断ってしまう。

 

じゃあなんで婚活に行くんだよと思うだろう。私も思う。

 

カップリングが成立するまでは「とっても感じのいい人だし今度こそ数年ぶりの恋の予感!」と本気で思っているのだ。

 

だと言うのに会場を出て次のデートはいつにするかという話になると心は氷点下まで冷めてしまう。早く帰ってpixivでR-18検索をかけたくてウズウズしている。

 

結局、選ばれたという高揚感を得たいだけかもしれない。もしくは乙女ゲーで目当てのキャラルートが確定した時みたいな感じだろうか。二次元ならその先も気になるがリアルでは特にその先は求めていないのだ。

 

このように、自分への好意を感じ取るとああ~無理っスすいません!となる人は結構いる気がする。友達にも、どえらいモテるが男性からの好意に嫌悪感しか感じない子がいるし。それを私のようなモテもしない女に当てはめると地獄でしかないのだが。

 

一生結婚しねぇかもしれね~~な~~~とほんのちょっぴり悲しくなるが幸いなことに姉は婚約中で血族が途絶えることも無いだろうし、親も私に結婚うんぬんの口出しは全くしない。

 

結局は私の優柔不断が全ての根源であり、結婚したいならしたいで行動!したくないならしない!とキッパリ決めればいいのだが、未だにどっちつかずだ。

 

もうこうなった以上は、岸辺露伴ヘブンズドアーで「岸辺露伴と結婚する」と書き込んで貰う他ない。

 

それくらいの強引なきっかけがないときっと私はこのままだ。岸辺露伴にとっては自傷行為以外の何物でもないが、結婚は双方の犠牲と妥協の上に成り立つものだと思う。私も右腕と左足と弟の肉体を差し出すつもりなのでそれで妥協してほしい。

 

いつになったら両親に「♪一生懸命恋しました(Fuwa Fuwa Fu-!)Thank you」と告げられるのだろうか。

 

それが辞世の句となるかもしれないので今から練習しておこう。

 

あのスラム街に続いてる気がする

南関東のとある街で生まれ、仕事に就くまでそこに住み続けた。

 

海が近く、裸でギターを抱いた女神(弁財天とも言う)がショバを統べるE島がシンボルでもある。このあたりの子供達の初めての遠足は大体E島水族館だ。例に漏れず私もそうだった。そして大体初デートもそこだ。

 

都会へのアクセスも良い上に観光地としても人気が高く、とても良い所に産まれたと思う。お洒落な店も多く様々な作品の舞台となっている。おかげで数年前、主婦が選ぶ住みたい街ナンバー1にも輝いた。

 

光栄だ。

 

光栄だし鼻高々だ。

 

しかし、しかしである。それを知った地元の友人たちと私は一様に首を傾げた。

 

確かに良い街だ。おしゃれと言うイメージもあるだろう。ただ、それ以上にダークネスな部分があまりにも多すぎるのだ。ToLOVEる的なダークネスではない。純度100%の闇の方だ。

 

このような”良い所だし誇りだけど地元民からしたらヤバさの巣窟現象”は日本各地、いや世界各地に散りばめられていることだろう。

 

私の出身地もオイオイオイと思うところが沢山あるし、オイオイオイ 死ぬわアイツ ほう 炭酸抜きコーラですか たいしたものですね……と言った具合に地下闘技場が市民会館の地下にある。(グラップラー刃牙は詳しくない)

 

とにもかくにも、なんというか治安の悪さとかヤバい奴が多いとか色々抗議したい所がある。私と友人はそんな地元を、愛と敬意の証として”スラム街”、”何でもあるけど民度はない”、”九龍城の方が平和だった”と呼ぶ。

 

幾らなんでも地元を貶しすぎだろう、と思われる方もいるかもしれない。

 

それでは問うが、地元で見知らぬ男にラップバトルを挑まれたことはあるか?

 

私の友達は二人ほどラップバトルを挑まれている。私は電車でラップをけしかける男を見たことがある。ちなみに奇跡的な事に友人はラップを嗜んでおり(しかも下ネタ満載)バトルに勝利した。この街にはNYのギャングストリートへ繋がる扉でもあるのだろうか。

 

また学生時代東京の大学へ通っていたが下校時、我がスラム街が近づくにつれ確実に電車内に変質者が増える。確実に、だ。

 

手作りのくじ引きを引けと迫る男(アタリだろうがハズレだろうが地獄なので逃げた)。

 

有名な人だが、大きく『処女』と書かれた服を着た坊主頭のおばさん。

 

数年に一度起きる発砲事件。住民は慣れているので動じない。

 

(地名) 事件 で検索すると一番上に表示される「悪魔祓いバラバラ殺人事件」の文字。

 

小中高校生が沢山通る駅前にデカデカと看板を出す人妻サロンと女子高生キャバクラ。宿場町時代からの色町としての残滓を感じる。

 

今思い出したが、女子高生時代に友達と学校帰りにプリクラを取ろうといつものゲームセンターを訪れたら閉鎖されていたことがあった。その時はプリ取れないじゃん~おこなんだけど~と文句を言いながら別のゲーセンへ移動した。そして後日、潰れたゲーセンの2階で違法取引が行われていた事を知った。ほのぼのとした心和む事件であろう。

 

こういう実情を知っているので、住みたい街ナンバー1になった時、みんなで「市長は誰に抱かれたのか」論議になった。

 

確実に市長は抱かれていたと思う。事後、紫煙をくゆらせる相手に「約束…守ってくれるよね?」と問いかけ「ああ、わかってるさ」と適当に返されやきもきした思いを胸にシーツを抱き寄せたりしたのだろう。名誉棄損で訴えられそうだ。逆転裁判好きだからきっと勝訴できる。多分。

 

なんというか、バッチリ化粧をキメた姉を見た友人がお前の姉ちゃん綺麗だなとかほざいた時のリアクションだった。いやアイツマジでヤベーぞと訂正せざるを得ないあの感覚。

 

まだまだご紹介したい闇が沢山あるのだが市長と私のバトル(ラップバトルではない)のステージが簡易裁判所から地方裁判所までランクアップしそうなのでこれくらいにしておこう。

 

今はスラム街の隣の市で一人暮らしをしているのだが変な人が全く居なくて驚いた。近いとは言え、スラムタウンの住人ではなくなった私は今日もカントリーロードを大声で歌うのだ。

 

屈強なホラーマン

 

骨折をしたことがない。幼少のみぎりより牛乳を愛し、水泳を6年、体操を4年(教える側にもなった)続けた結果、見事に骨太となった。

 

骨密度とか、そういった老後の健康状態を左右する数値的には良いのだろうがやはり線が細い女性への憧れはある。アクセサリーやネイルアートが映えるすらっとした指先を見ると心の吉良吉影が興奮しだしてしまうのだ。話は逸れるがこのブログは吉良吉影がやたらと出てくる。好きである。吉良吉影ならびにキラークイーンが。

 

話を戻すが、例えばドラマや小説なんかでこんなシーン・表現が出て来たとしよう。

 

「思わずその細い腕を掴んで引き留めた」

 

……男性の手でも手首を一周できないかもしれないと思うと写経中の僧侶のような顔になる。「華奢な体はすっぽり覆われてしまう」とかでも同様だ。

 

私は縦にでかくはないが横は3kmくらいある。むしろ私が彼を覆いつくせるだろう。なんならそのまま世界を恐怖で覆いつくす事だって可能なのだ。

 

以前ファッション誌を読んでいたらオーバーサイズのトップスやワイドパンツから見えるほっそりとした手首足首で女の子アピール♡とあった。確かにだぼっとした裾から少し見える細い手首や足首は魅力的だろう。ほんのちょっと見える肌は色っぽい。

 

しかしそれを骨太がやろうとするとどうなるか?

 

まず全体的な体型が(肉も相まって)太いのでトップスはXXXXXXLくらいになるだろう。そしてワイドパンツが尋常じゃなくワイドになる。ナイル川の川幅くらいないと間に合わない。

 

仮にボーイフレンドデニムを履こうものなら、そのボーイフレンドは競輪選手か千代の富士だろう。後者の場合、既に鬼籍に入られているしそもそも不倫となってしまう。

 

肉は削れるが骨は削れない。この深い業をどうすればいいのだろうか。小さいころから牛乳を飲み続け育った私は考えた。

 

『むしろ死んでから強い』と。

 

人生のステージを死後硬直と同時にスタートさせる。骨が脆かったり細ければ死後の世界でもすぐに消滅してしまうだろう。

 

どうせ冥界では骨ばっかりなんだからその中で燦然と輝く白骨死体になってやれば未来は明るい。オラオラ透けてないスケルトン様のお通りだぜ!と生前スムージーばっかり飲んでいた貧弱な女どもと下北に通いまくっていた軟弱な男どもを蹴散らしてやることも可能なのだ。

 

死後のために今世を完全にあきらめると言う、肉を切って骨を断つを体現していくSTYLEに望みをかける。

 

まぁ、骨の神が現れて「今ここで土下座して”華奢にしてください”と頼めばそうしてやる」と言われたら1秒で土下座を決めるが。

 

そうして細くなった私はボーイフレンドデニムを嬉々として履くし、さすがに彼氏も稀勢の里くらいにはなってるだろう。

 

潰えた夢へのレクイエム

ラノベのようなタイトルで申し訳ない。

 

子供の頃は未来への夢で溢れていた。あれになりたい、こんなことしたい、そうなったらいいなぁ、なんて幾つも夢を持っていた。

 

今現在ではそれが”現実逃避”と”妄想癖”にクラスチェンジし、欲望の肥大化は留まることを知らない。そして夢は夢でも夢小説への情熱に溢れ溺死しそうな毎日だ。ハッピーイェーイ。

 

考えてみると、成長と共に自然と消滅した夢はいくつあるのだろう。

 

まず、小さいころから将来の夢が転々としていた。ロールパンナちゃん、お嫁さん、ケーキ屋さん、美容師、先生……教員免許は取ったが結局教師にはならず普通のOLになった。

 

たぶん教員になったら過労死していたし毎日5000人くらい殺してたと思う。そんな忍耐の女が教員になっていいはずがない。我ながら英断だった。それがたとえ4年の月日と親の金と40近い単位の上に成り立っていても、だ。

 

ロールパンナちゃんになる夢は今でも諦めていないが、生憎私はクロワッサンの方が好きなのだ。生半可な気持ちで襲名できるほどロールパンナ稼業は甘くない。パン自体はほんのり甘いがそういう事じゃないのだ。

 

お嫁さんだって諦めてはいない。私を嫁に迎え地獄のような日々を過ごしたいと言う勇者が居ればいつでも迎え撃つ。

 

激闘の末、私が咄嗟に出したパスを受け取った相手が左手は添えるだけのシュートを決めて見事山王工業に逆転勝ち。無言で私と相手がハイタッチを決めた所から結婚生活は始まる。もう全然子供の頃の夢とは関係ないが流川が好きだ。でも結婚するなら牧さんが良い。顔は藤真が一番好みだ。

 

ケーキ屋さんはどうだろう。10歳かそこらの時に祖父に「パティシエになりたい」と言ったら「じゃあ秋田に土地を買ってあげるね」と言われた。

 

パティシエの響きがカッコ良いと思っただけの私は「遠いからいい」と断った。数年後、祖父が本当に秋田の土地を所有していた事を知ったが「遠いからいい」という気持ちは変わらなかった。しかも農場を持っていたのでヘクタール規模だった。遠いし広すぎるので私のような孫より牛さんに譲ってあげてよかったと感じる。

 

美容師も教師も諸々の理由(主に私の意志の弱さと適当さと親からの的確なダメ出し)で諦めて来た。諦めてきたと言うか、大体本気でも無かったのだ。

 

教員は本気だったが、本気の分だけ辛いことも知った。両親が教員だったので職場のことで病んでいく様子や実習での実状は忘れない。ダイナマイトで脳を爆破すれば全て忘れられるだろうがそんなことよりそのダイナマイトで実習中の担当教諭の家を爆破しに行きたい。

 

生徒や他の先生方はとても温かく受け入れてくれ最終的には楽しい思い出となっただけに、教育現場の底で渦巻く闇の部分がいっそう恐ろしかった。ダイナマイトで脳を爆破すれば全て忘れられるだろうがそんなことよりそのダイナマイトで実習中の担当教諭の家と車を爆破しに行きたい。

 

そんなしっちゃかめっちゃかな夢ばかりだったが、根底にあるのは『ほどほどに生きたい』という願いだったように思う。そしてそれは十分すぎるほど叶っている。

 

唯一諦めきれないものと言えば、やはりロールパンナちゃんの後継者となることだ。

 

ただし私がロールパンナちゃんになった場合は胸のハート(正義の心の時は赤・悪の心の時は青)が常時真っ青だろうし、青すぎて黒ずんでいる状態になっている気がする。これからは積極的にダイナマイトを用いて気に入らない奴の家と車と最寄り駅を爆破するなど善行に励み、正義の心を強固なものにして行きたい。