二子玉川リヴァエール、みたいな名前の9階建て

 

この腐敗した世界に堕とされて20数年、大した問題もなく生きて来た。

 

私の人生目標は、”若い時はほどほどにレールの上を走り、ババアになったら一気に踏み外して好きな事に突っ走る”である。そのまま脱線事故でも起こせばめでたく夭折という事になるが、パンクロッカーみたいでいっそ花々しいかもしれない。棺は拍手で見送って欲しい。

 

まぁ結局、根が小心者で人からの評価を気にする質であるから、そんなに大それた人生を送れる気はしない。それでも大きな失敗のない人生は成功した人生じゃないのか。吉良吉彰だってそんな感じの事言ってたし。

 

「激しい喜びはいらない……そのかわり、深い絶望もない……植物の心のような人生を……そんな平穏な生活こそ、わたしの目標だったのに……」

 

吉良吉影ツイッターでこんなポストをしていたら即座にRTとイイネをするし「わかる」とリプライを送るだろう。ほんとにこれ。ほんとにこれなんだ。

 

ちなみにこいつは凄まじい手フェチで綺麗な手の女を殺しては指をしゃぶったり持ち歩いたりしてるクソサイコ野郎である。何が植物の心だテメーはトリカブトだ、とクソリプをかましたい。

 

植物の心と言えば、私は常々「生まれ変わるならいつか採取されてバイオリンにされる木かマングローブ」とボヤいている。学生時代、来世は竹になろうねと誓い合った女もいる。どれだけ植物属性になりたいのか。世間一般から見てまだまだ青春中の歳だろうに、早くも来世のことしか考えていない。

 

では今生で成し遂げられそうなことは?と聞かれてもマジで全く出てこないのだ。盛って、同人誌を出すくらいだろう。

 

これは願望だが、強いていうなら二子玉川のマンションに住みたい。

 

独身貴族が住むような1LDKの綺麗なマンションに住み、慎ましくも自由に生きたい。簡単そうで簡単じゃない願望だ。そもそも私は二子玉川に夢を見すぎている節がある。

 

なぜか。

 

単純に街の雰囲気が好きだからだ。あの川沿いの洗練された富裕層の街。10代の頃、二子玉川で途中下車してとあるショッピングセンターに入ったことがある。平日昼過ぎだったので旦那は都庁勤務ですみたいな若妻が沢山居た。あまりの場違い感にすぐ出て来てしまったほろ苦い思い出である。関係ないが二子玉川って、ふたこたまがわと呼んでもニコタマと略しても下ネタっぽいよな、といつも思う。

 

ニコタマで一人暮らしです~って言いてぇ。

 

自家製サングリアを炭酸で割りながら多摩川を眺めてぇ。

 

マクロブラニクで奮発して買ったヒールをカツカツ鳴らしてエントランスに消えてぇ。

 

改めて書き出すとちまっこいようで物凄くがめついし身の程知らず感がすごい。ヤダもうあたしったら。現実は横浜の1kのアパートでユニクロのリラコを身に纏いこれを書いている。ヤダもうほんとあたしったら。

 

何の自身も持てない人生と人間ではあるが夢を見ることにかけては超一流だと自負しているので、このまま地獄生きのレールを突っ走っていきたいと思う。BUMP OF CHICKENも「イェヘェ~誰もがDreamer~」と歌っている事だし。

 

 

※この文を書いた後、末文のバンプの歌詞を確認してみたのだが、正しくは「誰もがビリーヴァー」だった。そうだっけとPVを見返したらうら若き藤原基央がどう聞いても「誰もがドリーマー」と歌っていた。もう何も信じられない。