世界の中心で変人美形への愛を叫んだ女

久しぶりにブログを書くが、タイトルの時点でロクな記事じゃないなと思っただろう。正解だ。それでも書く。私のブログだからな。

 

変人美形、大好きだ。

 

どうせ駄弁を弄した挙句、結局結論は何よ?と自分で自分に圧力をかけてしまうだろうから先に結論を書いておく。私は変人美形が大好きだ。

 

先日某サイトにて好きなキャラ属性を語り合うという趣旨の特集が組まれていた。お姉さんキャラ、ボーイッシュキャラ、地味っ子……思い思いにその属性の良さを語るライターたちを見て、私が好きな属性とはなんだろう?と考えてみた。1秒で結論は出た。

変人だ。正しくは変人美形だ。

 

もともと私は岸辺露伴と結婚しているのだが(この時点で狂気に当てられた方は一度外の空気を吸ってきて欲しい)、彼のどんなところが好きかと言われたらズバリ"変な所"だ。

 

いや、変と一口に纏めるのはかなり大雑把なのだが、彼の常識と良識を持ち合わせていながら聖人のようには振る舞わない生き方が好きだ。傍若無人で破天荒で唯我独尊。すさまじい美形バフを以てしてもギリ許せねえからなそれ、と思いつつそんな彼にどうしようもなく惹かれている。

 

私は凡庸で人からの評価を気にしてしまう性格だから、知らねー!と突っ走っていける様に憧れるのだ。そこには勿論弊害もあるだろう。孤独だったり疎まれたり。でも私の愛する変人美形たちはまるで気にしない。クソ強い心の持ち主揃いだ。

 

そもそもなぜこれをブログに書こうと思ったかと言うと、最近京極夏彦による百鬼夜行シリーズの漫画版を読み始め、登場人物の榎木津礼二郎にドハマりしてしまったからである。実は10年近く勝手に苦手意識を持っていた作品だったのだが漫画版からでも読んでみるか……と手に取って半月経たないうちにガッツリのめり込んでいた。クラウチングスタート直後に頭からズブズブ埋まっていった。

 

百鬼夜行シリーズのあらすじを説明するのは難しいのだが、『不可解な事件が起こり、憑き物が付いた様に狂気に侵されていく人々を口先最強のペテン師神主が悔い改めさせる』みたいな話だ。マジで難しいな。超有名超人気シリーズなのでご存知の方も多いだろう。

 

榎木津礼二郎はシリーズを通してずっと出てくる探偵だ。スピンオフも沢山出ているし人気ナンバーワンかもしれない。

 

なぜ人気かと言うとこの男、「人の色素全部抜く」みたいなコンセプトの元に神がデザインした?と思うほどのビスクドールじみた超美形であり、高身長スタイル良し(ちなみに作中は戦後数年の日本)、旧華族の出、戦時中は優秀な青年将校として活躍し、頭脳明晰で腕っぷしも強く、片目の視力がほぼ無い代わりに人の記憶を断片的に見ることが出来る能力を持つ。あと美人と赤ちゃんと猫が好き。

 

どうだ、途中でもうエエわとなったろう。美味い物と美味い物かけあわせたらメッチャ美味いと思っている奴が考えたようなキャラだ。京極先生すみません。

 

だが同時に榎木津はヒロポン中毒を疑われるような躁病のケがあり、思ったことはすぐ口に出すし人が躊躇うようなことも平気でするし基本的に気を遣うとか空気を読むとかはしない。人が首吊るのを横で見て頃合い見計らって邪魔したりする。探偵なのに地道な調査とは何もせず助手にやらせるしその助手達には変なあだ名をつけて下僕扱い。

 

「このことは言うな」と約束させたら絶対言う。「このボタンは押すな」と注意したら絶対に押す。そういう男だ。ある意味では天真爛漫を煮詰めた性格とも言えよう。

 

まとめると美形&変人&あくの強い男である。最高だね。

 

美形で長身で人の記憶を覗けて変なあだ名をつけてくる唯我独尊男……岸辺露伴との共通点も多い。そう言えば変人キャラは高確率で妙なニックネームで勝手に人を呼ぶ気がする。独特の距離感や他人にあまり興味ない感じが醸し出されるからだろうか。

 

ともかく、夢女半生の中で一際愛した男たちを思い出すと、かなりの確率で変人なのだ。そして同時に、何かの才能に秀でている。どうしたって変人美形が大好きだ。

 

私はビビりのくせにリアクションが非常に薄く、お化け屋敷の心拍数チェッカーでも見事なまでの無反応という結果を出してしまった女だ。喜怒哀楽がそこまで顔に出ない。ツイッターだと乳幼児みたいに叫んでばかりいるが現実ではアッパーかダウナーで言ったらダウナー寄りだろう。故に友人間や職場では『落ち着いてる。しっかりしてる』と誤認されてしまう。

 

そんな女だからこそ心を掻き乱されるものは?そう、変人美形である。

 

まず、美形─私の好みってだけで一般的に美形じゃないパターンもあるが─だから目が行く。追いかけているうちに思いもよらぬ行動や習性(研究のために蜘蛛を舐める、寝ながらチャリ濃いで激突、青姦好きを公言、横にオッサンが入った着ぐるみ連れてる、初対面で女の手を舐める、甘い物しか食わないで体躯座り、レース中に脱皮する等)を知り強烈に記憶に残る。

 

そしてこれは夢女たる所以なのだろうが、そのインパクトから産まれた興味が「この人恋愛したらどうなるんだろう」というベクトルに向かってしまう。

 

この人に振り回されたいな……感情をガンガンに揺さぶられてワケわかんねー何こいつ!てなりたい……慌てたり怒ったり恥じらったり唖然とする私に「全く……飽きないな、キミは」て言ってほしい~~~~~!

 

ハイもう一丁あがり。すっかり虜となっている訳だ。脳内で跡部様が「フン、おもしれー奴」と呟いた瞬間に私の恋は始まっている。

 

よく"残念なイケメン"とも言われるが、個人的にあれとはまた少し違う気がする。

 

残念なイケメンと変人美形はなんていうかこう、残念なイケメンがギャグ系ラテアートを施したカフェラテだとすると変人美形はコーヒーにキャビア入れちゃいましたみたいな感じだ。何言ってんの?

 

あと、女の子でもそういう子が好きかと言われると違う。女性キャラは「腕っぷしと気が強いがものすごい脆さ弱さを秘めた女」が好きだ。要は変人美形男とバディ組んでそうな子が好きなのだ。

 

もしもコイツこそはお前だってドン引きさせるに違いねえ!というオススメの変人美形が居たら是非お勧めしてください。

 

 

余談

タイトルの元ネタはエヴァではなく更にその元ネタのSF小説のほうである。作品だけではなく、私は作者のハーラン・エリスン自体も好きだ。何故かって、それは作者のwikiを見て貰えればご理解頂けるかと。