余は如何にしてクソにわかラップファンとなりし乎

大体、年に2つほど新たなコンテンツにドハマリする傾向がある。1つでもなく3つでもなく、2つ。それが私のキャパ量なのだろう。

 

それは流行りの作品だったり、かと思えば特にアニメ化や実写化が決まった作品ではなかったり様々だ。去年はゴールデンカムイとでみめんというソシャゲにハマった。

 

私は新たなコンテンツにハマると、主体性がありえないほど上昇する。とにかく、読んだり見たりして、更に調べる。例えば身長が不明なキャラがいたとする。そのキャラのいるコマを全てチェックし、他キャラや建築物との差から仮の身長を割り出すことは朝飯前だ。そういうオタクなのだ、私は。(倒置法)

 

とにもかくにもハマるとなると根深いというか、潜れるところまで潜りたくなってしまう。そんな私が今年ハマった2つのコンテンツ。2019年はまだ3か月ほど残っているが、気力的に3つめはないだろう。

 

1つめは、人気漫画『わたモテ』こと『私がモテないのはどう考えてもお前らが悪い!』である。非リア陰キャぼっち女子高生の痛恥ずかしい黒歴史漫画だったのにいつの間にか百合群像劇になっていた。たまらん。JK達の人間関係の複雑さ。たまらん。お金渡すからみんなでファミレスとかスイパラとか行っといでと言いたくなる。

 

話が逸れるが、私はわたモテの中で加藤さんというスクールカースト最上位のお姉さん系女子と主人公・もこっちの組み合わせ(通称「かともこ」)が大好きだ。しかし久しぶりに会った友人に「あのさ……わたモテ読んでる?」と聞いたら間髪入れずに「かともこ?」と返って来た時はビビった。なんでわかんだよ。7年間苦楽を共にした友人の推察力には慄いた。

 

いつもの事ながら前置きが長くなったが、ブログタイトルにある通りもう1つのコンテンツはズバリ【ラップ】だ。

 

ここで「ああ、ヒプマイね」と思われた方も多いだろう。

 

しかし当方、ヒプマイは殆ど知らない。知っているのはキャラの名前が難しいこと、最近大阪と名古屋が加わったこと、そして山田二郎が童貞ということのみだ。

 

これほどヒプマイが流行っている中で何故か私は3次元のラップにハマってしまった。

 

 

正直に言う。今までラップはダサいと思っていた。特に日本語でのラップはクッソダサイメージしかなかった。「ハイここで韻踏みましたよー!実質韻!韻!踏みましたよ!ハイここ!ここです!実質!実質韻!韻踏んでまーす!」感が果てしなく苦手だったのだ。

 

あと以前書いたが私の地元はスラム街なのでラップバトルをしかけてくる不審者がいる。故に治安の悪さの象徴=ラップバトル……といった失礼極まりない印象を抱いていた。

 

しかしそんな元に一人の女が現れる。

 

上で出てきた、かともこ瞬発正解の女、友人Tだ。

 

彼女と私は学生時代からの友人で、とても仲が良い。お互い友達が少ないので共依存レベルなほどに仲が良い。ひいき目無しにTは可愛くとてもオシャレで流行りのバンドを聞いていそうな見た目なのだが、その実ヘッズ*1なのだ。

 

Tからのラップバトル布教は実は1年前から行われていた。よくわからんままバトルを見せられ、曲を聞かされ、バトルの見どころやこのグループはどういうラッパーが集まっているのかなど、月1で聞かされ続けて来た。

 

ラップバトルにも色んなルールがあって奥が深いのね……そう思いながら動画を見ていたが、いかんせん素人にはスゴさがよくわからない。サンプリング?フック?バイブス(ギャル言葉でしか聞いたことねえ)?わからんちん状態である。

 

いや、勿論ラップが上手い人は頭の回転が速く知性的、という気づきと鮮やかな言葉遣いはダサくない、むしろかっこいい!という地点までは到達できたものの、それは詳しい人が解説してくれるからこそ。なので結局しばらくはTと遊ぶ時しかラップ動画を見なかった。つまり己の中に需要が無く、供給をなんとなく受け取るのみだったのだ。

 

しかしこの夏、Tが「ここ有名で曲もいいよ」とある動画を見せてくれた。

 

それがかの有名な梅田サイファ*2の代表曲【マジでハイ】だ。

 


R-指定, KZ, peko, ふぁんく, KOPERU, KBD, KennyDoes - マジでハイ(prod. LIBRO) (Official Music Video)

 

サムネに移るR-指定は現状日本一強いとされる有名ラッパーなのでご存知の方も多いだろう。私も知っていた。しかしながらそれ以外は誰一人知らない。なんか大阪のラッパーの集まりがあって、その中の歌なんだなくらいの認知である。

 

初見時、曲は普通にかっこいいと思った。

 

知らんラッパーばっかだけどみんなよう口が回るなあ。ていうかR-指定てやっぱ山田孝之に似てるわ。あとこの人谷村新司っぽい。

 

ほけ~っとそんなことを考えていると、ある一人のラッパーのパートに移った。(動画で言うと1:03から)

 

「この人赤ちゃんみたいでカワイイな。他がゴツいから覚えやすいわ」

 

隣のTにそう言ったのを覚えている。そのラッパーは梅田サイファーとしてキャリアを積んできた中心人物の一人、peko と言うらしい。Tは「pekoさんは女性人気もあるからね」と返した。

 

その時点で特にそれ以上pekoが気になることもなく、いつも通り呂布カルマ*3VS崇勲*4のバトルを見たりTが最近推しているレゲエラッパーの曲を聞いたりした。

 

そして少し時が流れ、ある日【ラッパーが話題のニュースについて即興ラップを作り討論する】という名目の某番組を見つけた。

 

スタジオには女子アナとコメンテーター他、4人のラッパーがいた。その中には呂布カルマとpeko。スタジオの明るい照明で見るとpekoって女子のスッピン顔だな、あと体毛すげえ薄そうだし綺麗な二重と肌……となんとなく見ていると、それがま~~~~~面白かった。

 

テーマが最近のニュースなので分かり易いし、テレビだからそこまで過激な表現はない。字幕もついてるから何言ってるかわかる。

 

そうしてその動画を漁っていく内に頻繁に出演するラッパーを覚え始め、この人はこういうスタイルか、この人は目の付け所が良いな、ああこの声好みだ、とおぼろげだったラッパー全景が少しずつ詳細になっていくのを感じた。

 

そこで私はONにしてしまったのだ。自らの主体性オタクスイッチを。(倒置法)

 

それから爆速知識吸収オタクとなりバトルはもちろん曲や全国のサイファーやイベントのレポなどを調べまくった。ラジオのバックナンバーを聞き、各ラッパーのTwitterをリストにぶち込み、インスタを見まくり、某大型掲示板を漁る。新たなる世界。新たなる知識。

 

そして気づくとpekoが一番好きになっていた。

 

フリースタイルダンジョン*5はすごかった。どんな思いを抱いてここまで来たのだろう。ライバル達への尊敬と感謝。それでもこの勝負に勝つんだという熱意。最終対戦相手との言葉と言葉のぶつかり合い。抱擁。

 

少年マンガじゃん。完全にスラムダンクとか弱虫ペダル読んだ時と同じ感動だわこれ。

 

自らのTwitterでもこの思いを綴りたかったのだが謎の恥ずかしさがあり、特に意味もないボカし表現を織り交ぜてツイートをしていた。おそらく、pekoという女性人気もある(男性人気もすごい)イケメンラッパーから入ったのがミーハー丸出しで恥ずかしかったのだ。いやいいじゃんと思う人も多いだろう。私も別にいいじゃんと思う。でもなんか恥ずかしかったの。

 

あとそもそもpekoはイケメンなのだろうか。ラッパー内だとシュッとしてて見分けもつき易いがイケメンなのか……?私は玉木宏が好きだが同時にかまいたち濱家も美男子に見えている美醜ラインハチャメチャ女なのでわからない。

 

言うまでもないがpekoの魅力はラッパーとしての技量と相手へのリスペクト、クセがなく聞き取りやすい声、曲作りの才能、DJもできるマルチさ、アツいラップ愛、感じ取れる人柄の良さ、人望……とそのルックスだけに留まらない。しかし実際顔(赤ちゃんみたいって言ったけど)から覚えた時点でどうしようもないミーハーやんけ心を申し訳なく感じたのだ。

 

ちなみにpekoはパーソナルな情報に関しては出身地と妻子持ちという事くらいしか公開していない。本名も年齢も非公開だ。冒頭で記した通り、他ラッパーと並んだ時の差から身長は容易に特定できた。年齢はラジオでポケモン初代(1996年発売)を小1くらいにプレイしたと言っているので多分30歳くらい。姉にそのことを言ってみたら「別に危ない事はしてないのにお前キモいな」と的確にディスられた。ほんとにね。

 

 

 一年間、Tの教えてくれるラッパー情報を理解できていないままポストイットにメモして脳にはりつけているだけの状態だった。それが今になって「読める、読めるぞ!」とムスカのように答え合わせとして効いてきた。

 

その結果こうしてクソにわかラップファンが一人誕生した訳だが、もしかしたらこれは一過性のブームかもしれない。好きな物が多いオタク故、しばらくして熱が冷めることもある。しかし一生ものの趣味にもなりえるしこの楽しい気持ちは消して仮初のものではない。しばらくはTというラップ先生の下でヘッズ修行を続けようと思う。

 

今の目標は実際のライブに行くことなのだが実はちょっと怖気づいている。だって怖そうだから。ゴリゴリにいかついお兄さん&セクシーなお姉さんが酒を煽りながら大盛り上がり─そんなライブハウスに私のような者がいていいのだろうか。今からでも耳たぶの穴を拡張してタトゥーを入れるべきなのでは?といらん心配ばかりしている。でも頑張って参加したいので、その暁にはまたブログを書きたい。

 

 

以下にpekoが出てくるオススメ曲を貼っておくので聞いてみてほしい。声が好みなんだわ。


peko『 The Boy Flies In The Mid Night 』MV

 

pekoはトラックメーカーとしても活躍していて、このぽわんぽわんした感じが心地よい。あと陰キャには「片手にBEER 仲間と集まる」という歌詞が怖い。ヒエッ……となる。私には片手にBEERを持って集まってくるタイプの仲間はいない。

 


KZ, peko, KENT, Draw4 - SOLOIST_0907 (prod. ONGR) (Official Music Video)

 

 これもぽわんぽわんした曲。穏やかな浮遊感が安心する。tofubeats/水星とかSUPERCAR/YUMEGIWA LAST BOYが好きなので気に入った。

 


【プロミス公式】「My Promise」 KEN THE 390/KOPERU/DOTAMA/peko/YURIKA/裂固/ISSEI/吉田幸生/KENGO,KAME&KEITA/ATY/小島優斗

 

ラッパーはめちゃくちゃコラボする。とにかくコラボする。スキルは勿論、人との繋がりも大事な世界なのだろう。この曲はpekoもいいのだがなんたって最初のパートを担当するKOPERUが抜群に良い。2つ上のThe Boy Flies In The Mid Nightでpekoの横に居る童顔の彼だ。KOPERUもすごくラップが上手い。

 

 

脳が興奮状態でブログを書くとロクな事にならないのはわかっている。わかっているがこのオーバードライブオーバーヒート状態を何か形にしないと愈々パンクしそうだったのでお許し願いたい。

 

最後に、昨夜Tから「〇〇*6の負けが込んでる。嬉しい」というストレートに陰湿なラインが来た。Tは甘い言葉選びをしたラッパーにガチギレする海原雄山タイプのヘッズなのだ。もしライブ会場で作画が花咲アキラの女2人が居たらそれは私達だ。宜しくお願い致します。

 

 

*1:要はヒップホップ大好きマン

*2:平たく言えばラッパーの集まり

*3:一度見たら忘れない風貌のラッパー

*4:大仏でありクマ。ディスを受け流すスタイル

*5:ラップバトルする地上波番組

*6:10代の人気ラッパー。Tはこの手のラッパーに死ぬほど厳しい