浮気絶対殺すマン
秋も深まり人肌恋しい時候となってきた。実際は風呂と布団と裏起毛があればぬくぬくなのだが話の導入上、こういう枕にさせて頂いた。
皆さんは浮気を許せるだろうか。
つまり、「ついつい人肌恋しくて~」とかなんとかほざいて浮気する恋人を許せるかと言う事だ。ほざくとか書いてる時点で私の答えは明確である。絶対許せない。血尿出るまで殴る。
そもそも独り身なので心配はないのだが(孤独死の心配はある)、浮気をする人だけは本当に無理だ。むしろ浮気OKって人はいるのか。
なぜこんなことを書いているかと言うと、不倫物の漫画を読んでいたら韓国人に浮気されそうになった思い出が蘇ってきたからである。
その漫画自体はドロドロというより切ない不倫漫画で非常に評価も高い作品なのだが、それは置いておく。そもそも創作の話だし。
あれはまだ殺意の波動を会得する前の事だ。その時日本はK-POPブームのまっただ中。例に漏れず某グループが大好きだった夢みがちクソJKこと当時の私はとあるツテで一人の韓国人と仲良くなった。
ちなみに当時、学校には片思いしている男子が居たがまったく脈ナシ。もはや死体にも劣らない脈ナシ状態だったのである。
その韓国人は同い年の男の子で、なんつうかキラキラしていた。
具体的に言うとSHINeeのテミンが18歳くらいだった頃に似ていた。ふわふわのパーマをかけた茶髪。すらっと細い体。ビビッドレッドのスキニーを履きこなすキュートさ。しかもめっちゃくちゃ優しい。すんげぇ優しい。
余談だが今では裏LINEとして有名になったカカオトーク。これを入れている日本人の大半は不倫・浮気相手との連絡用だと言う。韓国でのシェア率が非常に高いこのアプリ。私は彼と連絡を取るために日本人としてはかなり早めにインストールしていた。
さて、その彼だが日本に留学してきた途端爆発的にモテるようになったと言う。そりゃそうだよな。私もすぐ気になる存在になったもん。チョロい検定準1級の私にかかればこんなものだ。
私にとってはアイドルみたいな存在だった彼だが、他の子からしてもアイドルみたいな存在で間違いなかったと思う。
「原宿あたりで『ヨボセヨ?』って電話に出るだけで女の子がワーッて来るんだヨ」と嬉しそうに言っていたのを今でも思い出す。かなり日本語喋れるのにモテるから韓国語で出るようにしてるらしい。クソかよ。
しかし結構な頻度で二人で会おうとか今電話していい?とか言われていたのでウッヒョーこりゃワンチャンあるかもやでおま!と喜んでいた私。恥ずかしい。ほんと。
そんなちょっとしたトキメキを楽しんでいたある日、彼から電話がかかって来た。そして開口一番に「彼女が浮気してる」と寂しそうな声で言ったのだ。
彼女おったんか~い!!
聞けば韓国に彼女がいるらしい。で、自分が留学で日本に来てる間にあっちで浮気していたそうだ。
「でも僕も他の子と浮気してるから……」
お前も浮気してんのか~~い!!わしゃ緊急用ストックか~~~い!!!
もうこうなったらポップなノリで傷ついた心を誤魔化すしかない。一気に彼へのトキメキを掃射排除された私は”朕に言われても困るで候。おのれらで決着を着けるで候”みたいな返事を適当に返した。
「ありがとう……いつも真剣に僕の話聞いてくれる君が好きだよ。君さえよければガールフレンドになって欲しい。OKだったら僕が韓国に一時帰国する時に空港へ来て」
わしもお前の手持ちポケモンにされるんか~~~~~~~~い!!!!!
怒髪天を衝くとはこの事と言わんばかりに私はキレた。そして交流を遮断し今に至る。
♪無限大なぁ夢のあとのぉ~!何気ない世の中じゃ~!そうさ愛しい思いも負けそうになるけど~~!―皮肉にもデジモンの歌詞がピッタリな思い出となった。ポケモンじゃない所がポイントだ。
そんなことがあって、私は浮気絶対殺すマンになったのだ。しかしTwitterでフォロワーに浮気されたらどうする?と聞いたら満場一致で「殺す」のリプが返って来たし、リア友に聞いても全員「殺す」と答えたので朱に交わっただけかもしれない。もちろん粛清された輩の血の朱である。
なんだかんだあったけど早めに苦い目にあっておいて良かったのかもしれない……そう思い、先程彼の名前で検索をかけてみた。そうしたらわりと珍しい名前だったからかすぐにフェイスブックが出た。
そこには〇〇(彼の名前)♡××(浮気していた彼女とは別の子の名前)と書かれていた。私はありえない速さでブラウザバックをキメた。殺すぞ。